デザインTシャツ【コウシュ】のブログ
ミニマル・アート。
日本人だとミニマムとミニマルを言い間違えたり頭の中がこんがらがることもあると思うのだが
(そうでない方、失敬!)
ミニマルは、いろいろな要素の中で無駄なものをそぎ落とした一番コアな部分、というニュアンス、
ミニマムは、数量的に最小、というニュアンスだろう。
(かつて筆者は外人の先生にあなたの英語はミニマルレベルでできている、と言われ、
ミニマムと混同してショックを受けたのだが、一応誉め言葉だったのか?)
昨今ミニマリストという言葉もはやったり、
おそらく日本のわびさびとの相性も良かったりして、
ミニマル=かっこいいイメージは途絶えることなく続いている気がするが、
現代アートにおけるミニマル・アートとは?
1940年代後半から1950年代にかけて
ニューヨークの美術界を席巻した抽象表現主義であるが、
時が経つに連れ、同じ抽象表現主義という括りにされる画家たちの中でも
価値観や表現手法が多様化していく。
また、歴史の常、「抽象表現主義」に反発する動きもたくさん出る。
その反発の大きな流れとして名づけられているものが、
1つは、ロバート ラウシェンバーグらのネオ・ダダ、
それから2つ目は、アンディ ウォーホル等によるポップ・アート、
そしてもう1つ、抽象表現主義への反発以上にポップ・アートへ反発した流れが、
ミニマル・アート。
抽象表現主義もミニマル・アートも、
「抽象」的表現を追求するのだが、
抽象表現主義の段階では、
具象に相対するものとしての抽象であり、
ごつごつとして、ある意味派手とも言える作品が多かったのに対し、
ミニマル・アートでは、
同じ抽象でも、もっともっと核に迫り、シンプルを究極までに追及していく。
ポップ・アートが大衆に受ける大量生産的世界なのに対し、
ミニマル・アートは禁欲的、理知的な世界をつきつめる。
代表的なのは、ドナルド・ジャッドやリチャード・セラらの作品。
理屈っぽいこの世界観は、世間に受け入れられない。
しかし、このアートを熱心に支持する資産家、画廊、批評家のもと、
作品が創られていった。
ドナルド・ジャッドとリチャード・セラについては、
また後日に。