デザインTシャツ【コウシュ】のブログ

春が確実に近づいている。

春の夜空には獅子座があらわれる。
「In like a lion, out like a lamb」という諺は、
コミック「3月のライオン」のタイトル名の由来ともなっており、
春はライオンのように激しくやってきて、羊のようにゆるやかに過ぎていく、の意味。

コロナ禍、特に海外に旅行に行くのが難しくなっている中、
今回はライオンを切り口に、バーチャルで世界を旅してみよう。
(文中に登場するリンク先や各地のGoogle Streetをお楽しみください)

 

【アジア】

日本では古来、自然にライオンは生息しないが、
獅子の工芸品彫刻狛犬や獅子舞、沖縄のシーサー、と
ライオンに縁のある文化が根付いている。

これらは、インドや中国の影響を受けたものであり、
私達に馴染み深いアジア圏の各所でもライオンの面影が感じられる。

 

世界三大がっかりスポットとも揶揄されるマーライオンは、
人魚マーメイドとライオンが合体した像が噴水を吐き出す像であるが、
そもそもシンガポールは元の名を「Singapura」と言い、
サンスクリット語で「ライオン(Singa)の町(pura)」という意味。

サンスクリット語のSinga、ライオン、と言えば、
そう、タイのビール、シンハ(Singha)を思い浮かべる人も多いだろう。
沖縄のシーサーもこのなまり。

(ちなみに、ライオンキングの「シンバ」はスワヒリ語でライオンの意味。
似ているのは偶然か必然か???)

 

ライオンの生息地といえばアフリカ。
アジアにおいて、
ライオンは遠い地より伝え聞いた架空の動物だったのでは?と思いきや、
かつては、イランからインドにかけて、インドライオンが生息していた。
絶滅危惧種になってしまっているものの、
今もインドのギル森林国立公園などで見ることができる。

 

【古代の地中海・中東・ヨーロッパ】

ライオンは昔、ヨーロッパ南部にかけても生息していた。
遺跡を巡ってみると各地でライオンにちなむものが出てくる。

 

ドイツのホーレンシュタイン・シュターデルで発見されたのは、
約3万2千年前(後期旧石器時代)のライオンの彫像(高さ30cmほど)。
この時点で人間はすでにライオンの魅力(もしくは畏怖の念)にとりつかれていたのだろう。

エジプトメソポタミアでライオンが王や神に結びつけられていたのと同様、
古代ギリシャや古代イスラエルでもライオンは特別な存在だった。

紀元15世紀ぐらいから口承されたと言われるギリシャ神話の中には、
ヘラクレスの12の功業」の1つ、ヘラクレスがライオンを退治する話がある。
ライオンの毛皮が弓矢も通さないほど硬かったのでヘラクレスは素手で倒し、
このライオンは獅子座にされた、というもの。
ペロポネソス半島北東部のネメアの谷がその舞台ということだが、ワインの産地でもあるここを訪れて
ギリシャ神話の世界が現実とつながる場所を楽しもう。

エーゲ海の真ん中、デロス島(島全体が世界遺産となっている)を覗いてみれば、
大理石のライオン9頭がスフィンクスのようにアポロン神殿を守る
「ライオンの回廊」と呼ばれる遺跡が存在する。

そして、エーゲ海を横断しトルコに目をうつすと、
リディア王国(紀元前7世紀~6世紀、現トルコに位置した)で
軍事、商業、交通上の要衝で、織物・染色などの工芸も盛んだった首都サルディスでは
エレクトロン(Electrum)貨と呼ばれる世界で初めてのコインが鋳造・使用されていた。
刻印されていたのはライオンの絵である。

ユダヤ教の世界はどうだろう。
旧約聖書の創世記(紀元前15世紀頃以前の話)の中で、
ヤコブが第4子ユダに対し、おまえは「獅子の子」だと呼びかけるエピソードある。

紀元前10~6世紀に存在した古代イスラエルのユダ王国は、
上記のユダの名を国の名前に冠しており、ライオンが国のシンボルマークだった。
16世紀にエルサレム旧市街の東側中央の門に建てられたライオン門にはライオンが施され、
現在のエルサレム市のマーク(公共のもの、マンホールやゴミ箱などについている)
もライオンとなっている。

キリスト教は旧約聖書を土台ともしているため、
必然的にキリスト教においてもライオンは重要な位置づけとなる。

このようにしてライオンは世界各地で紋章など権威を示す柄に多く採用されていくことになった。

例えば、イギリス王室の紋章は、
イングランドを象徴するライオンとスコットランドを象徴するユニコーンが
盾を支えているデザイン。
イングランドのライオンの紋章は
獅子心王と言われるリチャード1世(Richard the Lionheart、1157-1199)が使い始めたものである。

 

【ロンドンのライオン】

銀座4丁目の角にたつデパート三越に構えるのはみなさまよくご存知、
2頭のライオン(1914年誕生)

この2頭のライオンのモデルとなったのは、
ロンドンのトラファルガー広場
にあるネルソン記念塔の下の4頭の獅子像。
このトラファルガー広場、今はレゴにもなっているほどの観光名所ではあるが、
実際行ってみると、西洋建築の中での珍しさはそれほどなく、ただ人が多いばかり、という印象も否めない中、
インパクトが大きいのは、そのライオン像の大きさである。
体長6mと、消防車の大きさ約5.5mを上回り、圧巻。

イギリス王室のお膝元、ロンドンには
10,000ものライオン像が存在すると言われる。

例えば、大英博物館の北側入口の2体ペアのライオン像や、
テムズ川のウエストミンスター橋の横に立っている「South Bank Lion」、
また、クロムウェル像の足元にも。

そして、パブはRed Lion、White Lion、Black Lionとライオンの名がつく店が山ほど並ぶ。
日本で言うなら鶴屋、亀屋、松屋、竹屋、という感覚だろうか。

 

【同音異議】

フランスのリヨン

フランス語でリヨン(Lyon)とライオン(Lion)は同じ発音。
言葉の響きも手伝ってか、ライオンはリヨンのシンボルとして使われている。

リヨンが本拠地のサッカーチームのOlympique Lyonnaisのエンブレムにはライオンがあしらわれ、
2004年には、リヨンライオンビエンナーレ
60頭のライオンをアーティストが飾り、その後も空港やいたるところに置かれている。

19世紀末に建てられたフルヴィエール・ノートルダム大聖堂の入り口には、
かわいいライオンが座る

そしてスペイン北西部の町レオン(Leon)はリヨン同様、
スペインの発音でライオンと同じことから、そのエンブレムのデザインはライオン。
レオン地方を含むスペイン全体の国章にもライオンが含まれている。

 

また、Lyonと言えば、ロンドンでJoseph Lyonsらが経営していたカフェのチェーンLYONS
この名 Lyonsにあやかったのは、
明治44年(1911年)に開店した銀座「カフェー・ライオン」。
のちの銀座のビヤホールLIONである。
昭和9年に竣工されたビルの地下にあるその内装は「豊穣と収穫」をテーマとしており
手軽に異国情緒を味わうことができる。

 

【ライオンの「歯」】

フランスのライオンといえば、PEUGEOTプジョーのロゴ
1800年代前半、プジョー社はもともと鉄製品を作っており、
ライオンの鋭い歯にその鉄製品の丈夫さや鋭さの意味を込めて
ライオンのデザインを会社のロゴに使い始めた。
創業の地はアルザス地方のエリモンクール
現在そこから2時間ほど離れたソジョーがプジョーの城下町。
アルザス地方はプジョーの他にも紡績工業が栄えた工業地帯で、
ここから車で1時間ほどの町、ミュルーズには、国立自動車博物館がある。
アルザス地方で貴重なクラシックカーコレクションを堪能しよう。

 

ライオンの歯は、古いフランス語で言うと「dent de lion」(ダンデライオン)。
たんぽぽが英語でダンデライオンなのは、
葉っぱがライオンの歯のようにぎざぎざだというところから
(スペイン語、イタリア語、ドイツ語などでも同様)。
日本にも上陸しているサンフランシスコチョコレート屋さんDandelionの名には
そんな背景が。

 

そしてもう1つライオンの歯で忘れてはならない企業は、
ライオン株式会社
歯磨き粉の名前に、歯が丈夫な動物、ライオンの名前を付けたのが
会社名の由来。

 

【野生のライオン】

ヨーロッパではローマ帝国時代になると、
自然に生息するライオンは狩猟や駆除の対象となり、次第に姿を消していく。
また、円形闘技場で剣闘士と戦わせたり罪人の見せしめ処刑に使われた
ライオンは北アフリカで乱獲され、こちらも数を減らしていくことになった。

こうして今、自然の中でライオンがみられるのはアフリカと、一部インドでのみ。

最後は、タンザニアのセレンゲティ国立公園野生のライオンを見て
この旅を終わりとしよう。

 

 

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