デザインTシャツ【コウシュ】のブログ
夏から秋にうつろい行くこの季節、何を聴こう。
クラッシック音楽には、ヴィヴァルディやチャイコフスキーの四季、ほか、
季節にまつわるタイトルのものも多いが、
「夏」や「秋」がつけば今聴きたいというものでもない。
今の気分は、
食欲の秋、運動の秋、芸術の秋、読書の秋、に向け、
テンションを高めていくような曲。
そこで、ラヴェルのボレロ。
ストーリーは、1人のジプシーが踊りはじめ、
その踊りはどんどん大きくなっていき、そののち周りの人たちも巻き込まれて踊りだす、というもの。
スペイン舞踊ボレロのリズムである
タンタタタ、タンタタタ、タン タン
タンタタタ、タンタタタ、タタタタタタ
という小さな小さなスネアドラムの音から始まり、
フルート、クラリネット、ファゴット・・・と管楽器がメロディーを順番に奏で、
参加する楽器が増えていって大音量で終わる、
おなじみの曲。
バスキアは
ギャラリーオーナーのアニナ・ノセイが提供した地下のアトリエで、
ラヴェルのボレロをずっとかけ続けて作品を作っていたとのこと。
アニナ・ノセイがクラシック好きだったかクラシック嫌いだったかどうかはわからないが、
さすがに永遠とボレロのあのフレーズが続くのは耐えられず、切れたらしい。
(アニナ・ノセイとバスキア。wp.nyu.eduより)
この段階的に楽器が増えていくという曲の構成は
フラッシュ・モブ*にぴったりの題材なので、
YouTubeにはラヴェルのボレロのフラッシュ・モブがあふれている。
>>コペンハーゲンフィルによるコペンハーゲン中央駅でのフラッシュモブの動画
なにしろ様々な外部要素が邪魔する可能性もあるし、
音響の環境も整っているわけでない、
ほんとに寄せ集めのメンバーで演奏するケースもあるので、
完璧を求めればすごく難しい取り組みだが、
オーケストラの演奏者が普段着で登場して、
どの楽器をどの人がどんな表情で吹いてる、弾いてる、というのが一目でわかり、
親しみやすく、そして楽しい。
さあ、あなたもタンタタタのリズムにあわせて今日ものっていきましょう。
*フラッシュ・モブ:公共の場・雑踏の中で突然パフォーマンスを行い、解散する、という活動