デザインTシャツ【コウシュ】のブログ

 

継続は力なり。

この格言、様々なシーンで使い勝手が良いよう。
特にスピーチや記事の原稿を作る際に用いられるのか、
「誰の格言?」
「日本のもの?外国のもの?」
「英語では何と言うの?」
という話題がネット上で賑わっている。

大分の実業家であり、
私費で夜間学校を作ったという平松折次(1880-1968)の言葉だ、
という話や、
広島で小学校の教師をしたのち
浄土真宗の真宗光明団運動を始めた
住岡夜晃(1895-1949)の
「賛嘆の詩(さんだんのうた)」第一章の青年に向けた詩
に使われたのが最初だ、
という説が流れ、大いに吹聴されている。

これらの説がまかり通っている発端というのが、
国会図書館の問い合わせへの回答である。
天下の国会図書館様の回答なのだからお墨付き、ということで
出回っているのだろうけど、

実際のところ、出典不明で悩んだ末の回答のようで、
決してこれが真実、とは言っていない。

さらに1994年の調査として、
“Continuity is the father of success”
がイリノイ州のことわざとして伝わっている、
という記述もあるが、

“Continuity is the father of success”
という言い回しを実際に使っている
英語のウェブサイトなぞ存在しなさそうである
(それを言うなら、
Failure is the mother of success 失敗は成功の母である)。

 

そんな中、いやいや、
夕焼け小焼けの作詞者である久留島武彦が使い始めたのだ、
と言う主張が登場。
西日本新聞の記事にもなっている。

久留島武彦が
アメリカで知った「考えは力なり」という言葉をもとに、
継続は力なりというのを思いついて使い始めた、
と記事にある。

アメリカで聞いた言葉というのはおそらく、
英哲学者フランシス・ベーコン(Francis Bacon, 1561-1626)の格言
scientia est potentia(knowledge is power、知/知識は力なり)
のことであろう。

 

だが、例えば、孔子(紀元前552-479)の言葉に
不怕慢、只怕站(ブーパーマン、ヂーパーチャン)
(遅くなってしまっても構わないが、立ち止まってはいけない(要は継続することが重要)
という言葉があり、

帝政ローマ時代の詩人オウィディウス(Publius Ovidius Naso、紀元前43-紀元後17)は、
Consuetudinis magna vis est— The force of habit is great. (習慣は力なり)
と言っている。

 

また、
アメリカの作家ウィリアム・ダラント(William Durant、1885-1981)が、
The Story of Philosophy(哲学の話)の中で、

We are what we repeatedly do. Excellence, then, is not an act, but a habit.
(人は習慣によってつくられる。習慣によって優れた結果が生まれる)
(または単に“Excellence is a habit.”と言われることも)、

と、プラトン(Plato、紀元前427-347)やアリストテレス(Aristotle、紀元前384-322)を総括している
(プラトンやアリストテレスの直接の言い回しでなく、ウィリアム・ダラントの言葉*1)。

 

当ブログ筆者自身、言語学者でも何でも無いし、
どれが本当の起源かはわからないが、
(※でも世の中に出回っている根拠の薄い説よりも、上記オレンジが最初というほうが説得性がある気が・・・)

 

人間なんて考えることは皆同じ、誰が言い始めたにせよ、
どんな言い回しにせよ、
続けることが大いなる力になる、
というのは、
「空は青い」というのと同じぐらい、
紀元前の昔からの共通で当たり前の感覚なのだろう。

最近でも、
アンジェラ・リー・ダックワースはTED Talkにて、
成功を大きく左右するのは、
IQでもなく身体的な力でもなく、知性でもルックスでもなく、
やり抜く力(グリット)である、と言う研究結果を発表。

どうしたらやり抜くことができるのか、ということに注目が集まっている。

 

で、続けられない人はどうしたら続けられるのか?やり抜くことができるのか?

嫌なことを続けるのは無理
人から強制されて
(あからさまに強制されずとも、痩せるべき、英語はできて当たり前、など
 人が言っていることに振り回され)
嫌々ながらやっても続かない。

それでも、自分でやるべきだと思うならば、
好きになる、楽しみになる工夫を。

例えば、身なりを気取る、友達を巻き込む、
楽しいことと「ながら」でやる、下心を持つ、など。

また、小さなマイルストンごとに自分にご褒美を。
毎週1回プールに通ったら1ヶ月に1回、XXを買う、など。

 

好きであっても続けられない
頭でやる気はあっても続けられないことも多い。
時間が無い、準備が億劫、行くのが面倒、そもそも怠惰なたち、
飽きっぽい、など。

まずは、楽で簡単に取り組めるよう、
細かく切り分ける、低いレベルから始める、
いつでもすぐに出来る環境を整える
(道具は出しっぱなしにして近くに置いておく、など)。

その上で、スキマ時間を利用する、

小さくても達成できた喜び、上達する喜び、奥深さを知る喜び、
汗の快感、など、神経を研ぎ澄ませて感じる。

そして見えるようにする
(カレンダーに書いていく、ツイート・インスタ・ブログで公表する、など)。

過去にさぼってしまったのは気にしない、今日からまた始める。

飽きてきたら・・・やり方を変える、「嫌いだから続けられない」の項に戻る。

 

それでも無理なら、、、喝!、もしくは諦めよう。
そんな中でも何かは進歩したはず。
さあ次へ。

 

 

*1)アメリカの作家ウィリアム・ダラント(William Durant、1885-1981)のThe Story of Philosophy(哲学の話)より

The word excellence is probably the fittest translation of the Greek arete, usually mistranslated virtue .
The reader will avoid misunderstanding Plato and Aristotle if, where translators write virtue, he will substitute excellence, ability, or capacity .

The Greek arete is the Roman virtus; both imply a masculine sort of excellence (Ares, god of war; vir, a male).
Classical antiquity conceived virtue in terms of man, just as medieval Christianity conceived it in terms of woman.

it fluctuates with the collateral circumstances of each situation, and discovers itself only to mature and flexible reason.
Excellence is an art won by training and habituation :
we do not act rightly because we have virtue or excellence,
but we rather have these because we have acted rightly ;
“these virtues are formed in man by his doing the actions ” ;
we are what we repeatedly do. Excellence, then, is not an act but a habit:

“the good of man is a working of the soul in the way of excellence in a complete life; . . . for as it is not one swallow or one fine day that makes a spring,
so it is not one day or a short time that makes a man blessed and happy.”

Thank you for visiting ! 

 

 

 

 

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