デザインTシャツ【コウシュ】のブログ

秋深まる。
春も夏も冬も深まらないが秋は深まる。
より濃くより奥へ奥へ。

秋は禾(ノギ)偏に火と書く。

ノギ偏は、カタカナの「丿」に「木」だからノギ偏だと
小学校のときに習った気がするのだが、
「禾(芒)(ノギ)」は、お米や麦、ススキの穂のそれぞれの先端にある、
トゲのようなピンピン出ているもののこと。

こういう粟(アワ)の形をした甲骨文字からできたもので、
決して、「丿」に「木」というわけでは無いらしい。

それで、そこに秋になると虫がたくさんついてしまうところを火で追い払う図から
秋の字は、禾(ノギ)偏に火、に。

禾、つまり穀物はお金としての価値があったので、
ノギ偏は「利」や「稼」、「税」、などお金にからむ文字にもついている。

禾目(ノギメ)といえば、陶器の模様。
釉薬のかねあいで、縦方向に無数に細長い細かな線が出ているもの。

日本において、穀物の柄と言えばやっぱりお米だろう、と思いきや、
考えてみると、米粒柄というのは無い
(あるかもしれないがほとんど見ないし、水玉模様のようなあれは豆絞り、豆だ)。
お米にからむ模様として家紋や着物の柄に使われてきたのは、稲穂、そして、米俵。
案外少なく、そしてあまりかわいくない。

他方、麦の穂の模様はよく使われる。

お米は、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」だが、
麦の穂は垂れない。
その辺がデザインに使いやすい・使いにくいの分かれ道なのだろうか。

麦の収穫は秋ではなく夏だからさわやかなイメージがあるからなのか、
もしくはお米は神聖だったり富の象徴としてあからさますぎるのだろうか。
こうべを垂れるのだから一応謙虚ということにはなっているのだけど。

収穫の秋、味覚の秋、紅葉の秋を楽しみつつ、
その形にもご注目を。

 

蛇足だが、
昔の日本人は、ノギ、オギ、ハギ、ムギ、と「あの形はなんだかギがつくイメージだよね!」と
思ったのかもしれない。

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