デザインTシャツ【コウシュ】のブログ
数学者、写真家、元祖コスプレおたく、チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン(本名)、
またの名をルイス・キャロル(ペンネーム)。
(Lutwidge⇒Ludovicus(ラテン語)⇒Lewis、Charles⇒Carolus(ラテン語)⇒Carroll)
彼の書いたアリスの童話は
サルバドール・ダリが話の各シーンを描いたほか、
多数の文学、バレエ、映画、製品などに多大なインスピレーションを与えている。
その話の展開はこどもの心にインパクトを与えるものであり、
時計を持つうさぎやトランプの女王はイラスト映えする設定であるが、
数学者、科学者としての発想がみられる箇所や、洞察力ある言い回し・ウィットが大人をひきつける。
Let me see: four times five is twelve, and four times six is thirteen, and four times seven is —
oh dear! I shall never get to twenty at that rate!
「4×5=12、4X6=13、4X7= … あら! これで行くと20にならないみたい。」
(18進法で4×5=12、21進法で4×6=13、24進法で・・・と行くと20にならない(アリグザーンダ・L・テーラーによる解釈))
アリスが扇子をあおぐとどんどん小さくなる場面で
she soon found out that the cause of this was the fan she was holding, and she dropped it hastily,
just in time to avoid shrinking away altogether.
`That was a narrow escape!’ said Alice,
a good deal frightened at the sudden change, but very glad
to find herself still in existence;
「すんでのことで縮んでなくなってしまうところでした。・・・まだ自分の体がちゃんとあるので、ほんとうによかったと思いました。」
(宇宙膨張論の説明に宇宙学者たちがさかんに引用)
チェシャ猫とアリスとの会話(もっともよく引用される)
Alice: which way I ought to go from here?
The Cheshire Cat: That depends a good deal on where you want to get to.
アリス「どちらに行ったら良い?」
チェシャ猫「それは君が行きたいところ次第」
(プログラミング言語BASICを開発したジョン・ジョージ・ケメニイは、
科学で行く先はわからない、いったん行く先が決まるとそこに行き着くまでの道を科学が教示する、という説明に
この問答を使っている)
アリスがグリフォンと亀との会話で自分の冒険について尋ねられる場面で
Alice: It’s no use going back to yesterday, because I was a different person then.
「昨日の私は今の私とは違うから。」
鏡の国のアリス
アリスが赤の女王に手を引かれて走るシーン
Red Queen: We must run as fast as we can, just to stay in place.
And if you wish to go anywhere you must run twice as fast as that.
「同じ場所にとどまるには
全速力で走らなければならない。
どこか別の場所に行くなら全速力の2倍の速さで
走らなければならない」
(こちらは「赤の女王仮説」として引用されることもしばしば)
など。
そしてまことしやかに
Alice: How long is forever?
White Rabbit: Sometimes, just one second.
という会話が、
人生に示唆を与える不思議の国のアリスからの引用として
インターネット中に広まっているが、
オリジナルの文章のどこを探してもなく、
こちらは実は、
ディズニー映画、ティム・バートンによる「アリス・イン・ワンダーランド」のセリフである。
これらの文そのものもまた、
世の中の多くのデザインの源泉となっている。
pinterestより
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参考:
ルイス・キャロル著 マーチン・ガードナー注 石川澄子訳 「不思議の国のアリス」
※マーチン・ガードナーはサイエンス誌にコラム「数学ゲーム」を25年間連載したほか数理パズルや超常現象批判などで有名な数学者
ほか