デザインTシャツ【コウシュ】のブログ
以前、
江戸小紋の工房を見学した際、
色の調合は長年の経験に培われた勘にたより
その都度ちょうど良い塩梅にしていく
というお話だった。
当時私は企業の合理化や効率化という仕事に
携わっていたので、
その「勘」は数値化したり再現できるものには
できないのだろうかとごく単純に疑った。
Tシャツを刷るための
シルクスクリーンのインクには
基本的な色が既製の材料として揃っているが
こだわりの色合いを出すには
調合するしかない。
その分量を数値化できるかというと
近しいことはできるだろうが
色の数が無限大にある中、
どこまでその意味があるのか。
限られた色によって標準化してしまえば
失われる価値もあろうし、
いちいち数量をはかってるよりも
経験則で手を動かしてしまった方が
余程早く工程が進むという事情もある。
ただし、
アートは1回限りであるが
工芸や事業は継続していかなければならない。
そこが断然難しい部分である。