デザインTシャツ【コウシュ】のブログ
シマは、
世界各地で大昔から用いられてきた、
無地の次に最もPrimitiveな模様。
シマ模様は太く、色のコントラストがはっきりしているほど
不遜、反逆的なイメージを与えるというので、
中世のヨーロッパでは囚人や道化などアウトサイダーを表す模様として扱われていた、と
ダークな部分を掘り下げる本もあるが、
シマ模様の地位はそれごときでゆらぐことは無い。
そんなシマ模様、
タテヨコはいかに使い分けられてきたのか?
布地には織ったものと編んだものがあり、
織るのであれば
縦糸の色を変えるとタテジマができるし、
編むのであれば
一行一行を完成させていく過程で
ヨコジマの方が作りやすい。
タテジマは体型を細長く見せ、ヨコジマはその逆、
というスタイルの演出の観点もさることながら、
どちらの方向に伸びるのか、という、布の素材の機能性から
タテなのかヨコなのかが選ばれてきたというほうが強そうである。
ヨコジマの衣類の代表と言えば
マリンルックのボーダーシャツやスポーツのユニフォーム。
なぜこれらのシマは横なのか。
19世紀半ば、体を動かしやすいジャージー生地、つまり、編んだ生地が
海軍の制服やスポーツウェアに使われた。
シマが横になったのはおそらくその生地がゆえであろう。
波間で目立つ視覚的効果からか、
ブルターニュ~ノルマンディー地域の漁師たちが着ていたのに始まり、
フランス海軍の制服にナポレオンの戦勝の数(21本)の線を入れたのが
ブレトンシャツ(=Brittany(ブルターニュ地方)のシャツ)、
いわゆるボーダーシャツ。
ヴィクトリア女王が幼い息子にセーラールックをさせたのや、
仏女流作家のコレット、シャネルやピカソ、リビエラ海岸でのセレブリティたちの恰好に
皆がこぞって憧れて
ファッション界の定番の地位が築かれた。
ボーダーを着る女はもてるとかもてないとか、
ボーダーシャツ狂騒の歴史はいまなお続く。
ボーダーシャツの歴史をもっと詳しく知りたい方はBBCのこちらのサイトをどうぞ。
“The Ultimate Symbol of French Cool
(おまけ)シマウマのシマは敵に身の動きを惑わして見せる効果がある