デザインTシャツ【コウシュ】のブログ

11月である。
まだ11月の初めである。
なのに、店々ではクリスマスの飾りつけが始まり、
カフェではクリスマスソングが流れだす。
日本人としては、もう少し秋の風流を楽しませてくれ、と思う。

そんな人はマイノリティかというと、
そうでもないかもしれない。

そもそもクリスマスに関心なし!楽しみにしてない!
という人は30%にのぼるそう
(2010年ウェザーニュース調査、ちなみに最も楽しみにしてるのは沖縄県民とのこと)。

そんなクリスマスを楽しみにしてない人でも楽しめるかもしれない豆知識。

アダムとイヴのりんごやキリストの血に由来する赤、
冬はいずれ終わり春が来ることを思い出させる常緑樹の緑、
これらがクリスマスカラーとなっているが、
ちょうどうまい具合に赤と緑が生来の姿として組み合わさっているのが
ポインセチア。

ポインセチアはもともとは中南米の植物で、
キリスト教が中南米に伝わった初期からクリスマスの逸話やお祝いに引き出されていたもの。
米国メキシコ公使ポインセットが1825年にアメリカに紹介し、
1900年代になると大量生産がはかられるようになったのだが、
日本には明治時代にすでに入ってきており、その和名は「猩々木(しょうじょうぼく)」と名付けられた。

前段が長くなったけれど、
それで、クリスマスに全く関係のない「猩々(しょうじょう)」についてが今日のお話。
能の演目に登場するので有名な真っ赤な酒好きの動物。
この猩々が赤いのでポインセチアは猩々木、酒にたかってくるのはショウジョウバエ。

今の中国ではオランウータンを猩々と呼ぶが、
もともと中国で紀元前から伝わる架空の動物である。
小さくて、人の顔を持ち、体は豚、しゃべることができて、子供のような泣き方をする、とされる。

江戸時代中期1712年に編纂された「和漢三才図会」の「寓類 怪類」の項では
挿絵つきで紹介されている。

国立国会図書館デジタルコレクション 和漢三才図会. 中之巻 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/898161 56ページ)

ふさふさと豊かに毛がはえた頭におじさんとおばさんの中間のような顔、
それで2足歩行している*。

 

お能では、赤頭に赤い装束、赤いお面をかぶって登場するのだが、そのストーリーは

むかしむかしあるところに酒売りがおりました、
その酒売りは夢のお告げにしたがって金持ちになりました、
そこへ猩々が登場し、汲んでも汲んでも尽きることのない酒壺を与えてくれました、

という、苦労のひとかけらもない全てがめでたしめでたし、というもの。

日本では、病気の神は赤い色が嫌いということで、
魔除け・病除けの酒好きな陽気でめでたい生き物という位置づけになって
全国各地でお祭りのキャラクターにもなったよう。

猩々は中国語ではxingxing(スインスイン)と読み、星を表す言葉と同じ響きとのこと。

ポインセチアの和名の命名センスは抜群だった。

 

*「和漢三才図会」で紹介されている続きのエピソードも相当キテレツ。

その内容は・・・
猩々は、人が罠をしかけるとその人の祖先の名を叫んで去っていく。
その後、たくさん仲間を呼んできて大酒を飲む。
そこを捕獲して煮て食おうとすると、仲間を一匹泣きながら差し出すそう。
猩々の血を染料に使う場合についてのアドバイスも書いてある。
どの程度血を採っても大丈夫かは猩々自身に聞いてみるべしとのこと、
ただし一斗以上は採血してはならないとのこと。

 

 

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